白昼の住宅街。開店したばかりのラーメン屋に、拳銃を持った3人の男が入ってくる。彼らは、ラーメン屋主人が飲酒運転で死なせてしまった母子の遺族から、敵討ちを依頼されたプロの敵討ち執行代理人だ。 15年前。少年兵だったヒロシは、上官のトシオとともに30人ほどの幼い子どもを連れて山の中にいた。子どもたちを置いてその場を立ち去るトシオの後を追うヒロシ。次の瞬間、真っ白い閃光と奇妙な高音が世界を包んだ。一瞬にして凍りついた木々を抜けてヒロシが先ほどまでいた場所に戻ると、子どもたちの凍死体が転がっていた……。一人離れた場所にいて被爆をまぬがれた少女が、ヒロシに向かって手を伸ばし、何かをつぶやくが、ヒロシには聞こえない。ヒロシは、彼女に手を伸ばしてやれなかった。 その時の少女、マリコの訴えかけるような眼差しは、15年経った今もヒロシの脳裏から離れない。そして時おり、少女は幻影となってヒロシの前に現れる。 トシオ(西島秀俊)は、整備工場で働きながらひっそりと暮らしていた。職場では、皆にいじめられているシバザキ(竹原ピストル)をしばしばかばってやるものの、誰とも距離を置いている。そんなトシオにとって、会ったこともないコトミというメル友のからの携帯メールが唯一の外の世界との接点だった。 ヒグチは隅川(鴻上尚史)というヤクザに対する敵討ち執行で重傷を負って入院したヒロシを訪ね、15年前に兵器実験で子どもたちを犠牲にした岩崎トシオが次の敵討ち対象者であることを告げる。ヒグチは次にトシオの職場に行き、偽造した執行通達書を渡す。そして、この執行依頼は、15年前の実験で感覚や感情を失い、いまなお後遺 トシオの執行の前夜、ヒロシはトシオと再会する。ヒロシは自分がトシオの執行代理人であること、そして自分には感覚がないことを話す。「それがなくても、今まで生きてくことができました。だけど、それじゃ駄目なんですよね……たぶん」「なんで……それを俺に聞く?」哀しげな目でヒロシの頬を打ち、「迷うな」と言うトシオ。 そして執行当日。ヒロシは銃をかまえて走り出す。 |